環境
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環境
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環境に関する考え方
スクロールグループは、企業活動において起こりうる環境負荷に対して、
以下の環境活動方針に沿った目標を設定し、
事業を通じてバリューチェーン全体の環境負荷低減に貢献していきます。
環境活動方針
①環境負荷の少ない安心、安全な商品・サービスの提供を推進します。
②廃棄物と温室効果ガスの排出削減を推進します。
③環境配慮型資源の利用および資源のリサイクルを推進します。
④社員の教育や取引先への理解促進など、環境コミュニケーションを推進します。
⑤目標に対して定期的な結果の検証と公表を行い、環境パフォーマンスの継続的改善を推進します。
CO₂削減目標・施策
削減目標
スクロールグループは、スコープ2(※)のCO₂排出量を2030年度までに2020年度対比で50%以上削減することを目標としています。
※他社から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出のこと。
当社グループにおいては、物流センターやオフィスにおけるCO₂排出が該当します。
・物流センターにおける太陽光発電システムの設置
・空調冷却装置制御のインバーター化
・CO₂フリー電力の購入
・LED照明への切り替え
削減施策
CO₂排出量の削減に向けて、以下の施策を実施してまいります。
■太陽光発電システムの設置
物流センターに太陽光発電システムを設置予定です。電力会社と電力販売契約(PPA)を締結し、
太陽光発電システムで発電された再生可能エネルギーの購入を推進します。
■CO₂フリー電力の購入
電力会社から、再生可能エネルギーに由来する電力を購入する取組みを進めます。
■空調冷却装置制御のインバーター化
SCL浜松西の空調冷却装置への制御機器を導入することにより、電気使用量を削減します。
■LED照明への切り替え
当社施設における照明をLEDに変更し、CO₂の削減に貢献します。
事業活動を通じた環境負荷低減の取組み
スクロールは、事業活動を通じた環境負荷の低減を積極的に行っていきます。
■SDGs関連商品の拡充
環境に配慮した商品や日本の伝統・技術を継承する商品、社会貢献が可能な商品等の展開を推進します。
目標
2025年度までにSDGs関連商品の構成比50%(アパレル商材)
■プラスチック素材の使用量削減
環境に配慮した包装資材への切替えを推進します。
目標
2030年度までにプラスチック素材の使用量65%削除(2021年度対比)
■紙の使用量削減
カタログ発行部数・ページ数の削減やWEBカタログへの移行を推進し、紙の使用量を削減します。
目標
2030年度までに紙の使用量25%削減(2021年度対比)
TCFD提言に基づく情報開示
当社グループは、「環境負荷の低減」をマテリアリティと捉えており、気候変動がもたらす財務的な影響について、TCFD提言に沿ってシナリオ分析を開始いたしました。
今後、開示内容の充実を図っていくとともに、脱炭素社会に向けた取組みを推進してまいります。
ガバナンス
気候変動を経営に影響を及ぼす重要な課題の一つとして認識し、取締役会において、マテリアリティの特定および解決に向けた施策の方向性を決定しております。
気候変動への対応を含む環境負荷低減活動の推進については、2022年度、代表取締役を委員長とするサステナビリティ委員会を発足し、年に2回程度、事業部門と連携して目標設定や計画に対する進捗状況のモニタリング、実施内容の評価等を行っていく予定です。
また、当委員会の内容は、取締役会に報告することで、取締役会の監督が適切に図られるような体制としてまいります。
リスクマネジメント
事業部門をリスクオーナーとして、リスクの識別と評価を行っています。
また、内部統制委員会のテーマ事務局として「リスクマネジメント全般活動」事務局(RM事務局)を設置しており、RM事務局が事業部門のリスク対応を支援しています。
これらの活動は、内部監査部門において監査され、監査等委員会および取締役会に報告されています。
事業活動に関する一般的なリスクおよび当社グループ特有のリスクなどを把握し、継続的にモニタリングできる体制を構築しています。
今後、気候変動問題に関するリスクに関しては、サステビリティ委員会が識別と評価を行いながらRM事務局と連携し、全社的なリスクマネジメントに統合して管理を行ってまいります。
戦略
●リスクと機会
当社グループの主要なビジネスである通販・ソリューション・eコマース事業を対象として、気候変動に関連する移行、物理的、リスク・機会を適切に把握し、シナリオ分析を実施しました。
それぞれの気候変動リスク・機会が事業へ及ぼすインパクトを考察するにあたり、原材料調達~輸送・保管~商品利用までのリスク・機会項目を考察し、国際機関が公表する2℃シナリオと4℃シナリオを用い、2030年時点においてスクロールグループへの影響を考察を行いました。
リスク項目 | 事業インパクト | ||||
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中分類 | 小分類 | 時間軸 | 考察:リスク | 考察:機会 |
移行 | 政策・規制 | 炭素価格(炭素税) | 中期~長期 | 物流施設・事業所等の電気・燃料使用等に関わるコストが増加 | ー |
プラスチック規制 | 中期~長期 | プラスチック製梱包材への規制が導入され、対応コストが発生 | 非プラスチック性やバイオマス由来の梱包材を使用することにより、エシカルな物流サービスを利用したい企業からの需要増加 | ||
製品・サービス | 重要商品の需要変化 | 中期~長期 | 消費者のサステナビリティ意識の高まりから、衣料品・服飾雑貨の使用期間が長くなり、販売数量の減少や競合他社との競争が激化 | 消費者のサステナビリティ意識の高まりから、エシカルな消費を意識した製品の重要度が高まり、販売数量が増加 | |
顧客行動変化 | 中期~長期 | 環境負荷を考慮していない、またはその明記のない商品の需要減少 | 環境負荷の低い商品の需要増加 | ||
市場 | エネルギーコストの変化 | 短期~長期 | 化石燃料の価格高騰に伴い、物流会社へ支払う運送費の上昇 | ー | |
評判 | 顧客の評判変化 | 中期~長期 | 環境への取組みに消極的という評価をされた場合にはブランドイメージが毀損され、販売数量減少 | 【ソリューション事業】 消費者の環境意識の向上等に基づく顧客ニーズの多様化によりCRMサポートの需要の拡大 |
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物理 | 急性 | 異常気象の激甚化(台風、豪雨、土砂、高潮等) | 中期~長期 | ・サプライチェーンが寸断され、商品出荷に遅れが出ることに伴う減収 ・異常気象による原料・輸送・カタログ用紙のコスト増加 |
【通販・eコマース事業】 異常気象の激甚化により外出頻度が減少し、通販の利用者数が増加 【ソリューション事業】 物流拠点の多拠点化により大規模災害や不測の事態への対応ができ、リスクの軽減およびコストの抑制 【eコマース事業】 激甚的な異常気象への不安から防災用品の需要が拡大 |
慢性 | 平均気温の上昇 | 中期~長期 | ・猛暑や暖冬の影響で季節性商品の需要が変化 ・温度や湿度の変化により、商品保存環境の整備コスト増加 |
ー |
●事業インパクト
4℃シナリオの場合は、台風・洪水等の激甚災害による物理的被害に加え、石油需要の高まりによる運送費の影響度が比較的高くなる試算が得られました。
その一方で、2℃シナリオの場合は、炭素価格の影響が比較的大きい試算となりました。
両シナリオともに試算が可能なリスク・機会に関しては、影響度はどちらも限定的ですが、今回得られた試算結果を考慮しながら、リスク・機会を継続的にモニタリングしてまいります。
※BAU売総予測(business as usual):過去の業績から統計学を用いた 2030年における売上総利益数値。
●事業への影響と今後の取組み
気候変動の影響が大きいと考えられる当社グループの主要3事業に関するシナリオ分析を実施した結果、4℃シナリオにおける石油需要の高まりによる運送費の影響度は大きいものの、その他の定量的に分析をした項目に関しては、現状重大な影響は発見されませんでした。
今後は、当社事業全体への気候変動の影響確認を目的に、移行面および物理面双方から分析を行い、影響が大きい分野の更なる特定および整理等を進め、当社全体の中から対応が必要な分野について、優先度を踏まえながら、今後の具体的対応方針を検討していく予定です。
指標と目標
●スコープ1、2※におけるCO₂排出量
2020年度のスコープ1、2のCO₂排出量は、3,235トンとなりました。
スコープ2におけるCO₂排出量を2030年までに2020年度対比で50%以上削減することを目標に、当社試資産の物流施設およびオフィスビル等において以下の取組みを実施いたします。
●スコープ3※におけるCO₂排出量
2020年度のスコープ3のCO₂排出量は、213,676トンでした。
今後、バリューチェーンにおける排出量(スコープ3)の目標設定についても検討を進めてまいります。
※ スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出。
スコープ2:他社から供給された電気・熱・蒸気の使用に伴う間接排出。
スコープ3:スコープ1、2以外に間接排出。
スコープ1、2、3のデータは下の図にてご参照ください。